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2004.02.27

天久聖一 「悲しみジョニー」

天久聖一「悲しみジョニー」有意義な金のむだ使い

アフリカ系黒人のジョニーがジャパニーズソウル・安来節の聖地島根県安来市で師匠に出会い日本の心を手に入れる。アフリカの鼓動とジャパニーズトラディショナルダンスの融合。それがこの DVD のテーマだ。その模様をロードムービー風に納めたのが 天久聖一監督の 「悲しみジョニー」 だ。ちなみに UA とはまったく関係ない。

無意味なカット、無意味なアングル、無意味なスローモーション、無意味なループ、そして取ってつけたようなストーリー性。そこに意味を見つけることができる人なら十分に楽しめる DVD となっている。

アフリカ系の黒人というだけで主役に抜擢されたジョニー(洋服屋 PUSH UP 勤務)は終始無言で、一番テンションが高かったのは旅館のテレビでサッカーのワールドカップを観ているとき。あとは黙々と新幹線に乗り、安来節を踊る。はっきりいって、説明に困る内容だ。どこが面白いのかも説明しにくい。しかし、確実に観るものを魅了する何かがこの DVD には納められている。

黒人が安来節を習得する、というのはインパクトの大きさからすると作品の芯ともいえるかも知れないが、実際にはそれはあくまでもパーツの一部でしかない。この DVD は 奇才(バカ)・天久聖一 の世界を堪能するためのプロモーションビデオといえる。

天久聖一といえば 「バカドリル」「バカはサイレンで泣く」 などのシリーズもので有名だが、本業はマンガ家だ。たぶん。「やんちゃブック」 や 「僕が固い石をぶつけると、君は「痛い」といってくれるだろうか」 などの短編集(傑作!)を出しているが今はいずれも絶版。最近は 「バングラデシュ日本」 「お前!」 といったコラージュを多用し、原色の色使いで味付けした実験的なマンガで読者を突き放している。今回の 「悲しみジョニー」 は後者寄りで、かなりマニアなファンでないと食指が動かないだろう。

特典として収録されているリミックス映像(4曲 13分)も秀逸。盟友 タナカカツキ蔭山周 による映像リミックスは必見。そういえば本編(23分)には 渡邊俊美 (TOKYO No.1 SOUL SET) が 2曲も書き下ろし曲を提供しているのも見逃せない。

ストーリーもなければオチもなく観た後に感じるものもない。しかし、天久ワールドを垣間見れる作品には違いない。あえて言おう。観るべきである、と。とりあえず、ジャケットに惹かれた人はすでに第一次予選通過だ。

1000個限定の初回版 には オリジナル T シャツと 「一宇川流家元オリジナル安来節どじょうすくいレッスンビデオ(20分)」 が同梱されている。天久フリークならこの夏はこの T シャツでクールに決めたい。

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この作品は DDD レーベル の第一弾としてリリースされたもので、このシリーズは当初の予定よりは遅れぎみだけど順調にリリースを続けている。気になるラインナップはこの通り。
天久聖一『悲しみジョニー』
ヨシヤス『ニャンコス』
デビルロボッツ『海賊ちゃん』
宇川直宏 『Super Ego Burger』
タナカカツキ 『赤ちゃん』
白根ゆたんぽ 『Let's English.』
浅野忠信 『トーリ』
池田爆発郎
WATT

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おまけ
DVD に Sepcial Thanks としてクレジットされている ゲッツ板谷 という人を検索してみたら トップページにジョニーが いました。・・・・・・それだけ。

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